これまでの経験を振り返りながら映像制作に対する考えを文章にした。
映像制作を始めたのは大学4年生(今から7年前)。アメフト部のモチベーション動画を勝手に作った。
カメラはおろか、編集用のノートパソコンすら持っていなかったので、部のカメラとクラブハウス(事務所的な建物)にあったデスクトップパソコンを使って編集作業をしていた。当然、スタッフが分析や事務作業に使用するので、かなり邪魔な存在だったと思う。
アメフト部のスタッフが分析用に撮影した動画素材を漁っては編集ソフトに並べてほぼ毎日編集していた。それから初めてGoProを購入して大学生らしい旅行の動画や趣味のバイクなどの映像を記録しまくった。
大学を卒業後、都内の企業へ就職し、映像とは無縁の社会人生活を送っていた。
新卒入社した会社を1年とわずかで退社。あてもなく退社したので、どうせ暇になるなら徳でも積もうと四国遍路をすることに。退社して1週間後には徳島県に渡り、お金もなかったので野宿と徒歩で88か所のお寺を巡り49日後に1周を達成した。せっかくなので動画に残そうと学生時代に買ったGoProを持って歩いた。のちにお遍路総集編動画を作成することになる。
お遍路を終えて都内に戻ってからも転職活動に気が乗らず、わずかな貯金を取り崩す生活が続いた。その当時筋トレにハマっており、朝晩と1日2回近所の24hジムに通っていた。当時読んでいた本に「誰かにお願いされなくてもついやってしまうこと、とことんやってしまうことをやり続け、発信する」という一節があり、その日から筋トレの様子を動画に納め始める。
そういった活動を続ける中で、当時フィットネスとコーチングを提供していた会社と出会い転職。そこではSNS発信に長けた方が周りにたくさんいたこともあり、自分もYouTubeチャンネルを開設し、SNS運用を開始する。
当時は、フィットネス事業、コーチング事業の2つの領域で事業を作ったり色んなことをしていた。その仕事の様子をSNS発信していた。ユニークなメンバーに囲まれ仕事をすることは本当に楽しかった。1日24時間じゃ足りないくらいで、気づけば1日の睡眠時間は2,3時間だった。
それから仕事に没頭する日々が続いたが、どこからか不完全燃焼感を持ち出した。エネルギーを使い果たせていない感覚。仕事自体は面白かったし会社に不満はなかった。どちらかというと自分の”没頭”できる世界をもっと追求したいという思いが強かった。それから思い立ちロシアに渡りユーラシア大陸を横断することになる。
シベリア鉄道に乗り、いろんな所を見て回ったが、自分の”没頭”できる世界は見つからなかった。帰国してからも仕事を続けたが、一度感じた自分への違和感をぬぐえなかった。そんなタイミングで当時住んでいた愛知県で0からラグビーチームを創らないかというお誘いがあり、会社を辞めてラグビーチームの創部メンバーとして入部した。(チームの代表がYouTubeを見てオファーをくれた)
そしてこのころから、「自分」ではなく、「誰か」の人生や夢中を記録し始めた。(結果的にそうなっていた)
社会人のラグビーチーム、大学のラグビー部、海外に挑戦するラグビー選手と増えていった。そして気づけば、映像制作だけではなく、チームのスポンサーを集めたり、クラウドファンディングの企画運営をしたり、ホームページを作ったりと勝手に映像制作を軸にして仕事が増えていった。
それからしばらくして視聴者比率男性99%、女性1%のYouTubeチャンネルを見て「アメフトや筋トレ、お遍路、ロシアに行ったり、ラグビーをしたり、色んなことに夢中になっている姿に興味を持った」と言ってくれた女性と出会い結婚に至った。ここでも映像が人生を変えてくれた。
2023年11月に妻が住む埼玉県へ引っ越しをして、個人事業主として正式に”映像クリエイター”として活動を始めた。そして今まさに”映像”で食べていけるよう暗中模索の日々を送っている。
これまでを振り返ると常に映像で記録を残している。これは身体が勝手に動いてしまっている。
あえて言語化するなら”死ぬ前にベッドの上で自分の一生を振り返った動画が見たい”という欲求がそうさせていると自分は考えている。そしてこれからもその欲求に素直に生きていく。
この先やりたいことは山のようにあるが(林業・農業・狩猟・民宿経営etc…)、映像制作はブレずにやり続ける。
映像クリエイターとしては上には上がおり、一生勉強して極め続ける世界だ。特に自分が極めたいのは誰かが”夢中”になっている瞬間を映像として切り取ることだ。誰かが”夢中”になっている瞬間には誰かの人生を変えてしまうくらいのインパクトがあると思う。
自分が映像制作に”夢中”になるはもちろんのこと、これからもっと多くの人の”夢中”を切り取っていきたい。
余談にはなるが、何にもないところからスタートした映像制作。気づけばその投資額は200万円以上。撮影したデータは100TB(100,000GB)を超えていた。ただ、これから先の人生、家族の人生、仲間の人生、自分を必要としてくれる人たちの人生を記録するには全然足りない。
29歳。伸びしろしかなく。そこには自分が”没頭”できる世界が広がっている。
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